さて、ポジションについては既に基本線が出て一定の納得をしているにもかかわらず、よせばいいのに今回はスケベ心を出しました。
「ひょっとしたらもっと良くなるんじゃないか」
ってやつですね。さらなる高みを……なんていいもんじゃなく、単なる好奇心です。
で。
今回試したのは「上りが少しでも楽になる(かもしれない)ぜ! ポジション」です。
具体的にはいわゆる「前乗り」にしました。
効能は「上りでペダリングが楽(になったらいいなあ)」というもの。
物理の法則に則った裏付け的詳しい話は面倒なので省きますが、簡単に書いておくと……。
平地と同じポジションで上り坂に入ると、アタリマエですが重心は後ろ寄りになりますよね?
その状態で同じようにペダリングをすると、相対的にペダルにかかる荷重が減り、同じパワーを保とうとするとフトモモ前部、つまり大腿四頭筋に負担がかかるようになります。
なので上りになると勾配に合わせてポジションを前にもって行く事になります。
シッティングの限界を超える勾配にもなると最終的には立ち漕ぎで思いっきり前方に体重を持っていく事になるわけです。
これだけの理由だとシートポジションを予め前方向にしておく、なんて考えは浮かばないのですが、問題は私のサドルです。
特殊な形状をしている為、前後にポジションを移動しにくいのです。ポジション固定型サドル? みたいな?
なんというか、極端に言うと「お尻がはまったらそのポジション以外はある意味前部立ち漕ぎ」みたいな?
要するに「座る」部分の前後幅がほとんどないというモノなのです。
そこで私はこう考えました。
「だったら基本的に前乗りポジションにしておけば、上りではシッティングしたままで地球の重力の力を借りて今までより楽にペダルを回せるのでは?」
結果。
×。大失敗。
そんな魔法のポジション、あるわけねー(・∀・)
むしろいつも以上に疲れました。
前乗りポジションとはつまり、むしろ平坦路で普段使わない部分の筋肉を使い続けることになるわけで、大した距離を走らないうちに、しかも上りどころか平坦路のみの段階で、すでにフトモモの筋肉が売り切れになってしまいましたとさ。
もっともこれは、ある意味で失敗覚悟といおうか、自分の考えが間違っていないだろうという確認作業のようなものだったので、ハナから受け入れられる結果でございました。
要するに「今までのポジションでオッケー」「これからもこれを基準に生きて行こう」という意志固めのための通過儀礼というか「ほら、やっぱりダメだったでしょ?」と自分に言い聞かせる為の「お試し」でした。
もっとも「実は前乗りは私にあったスタイルだった」としても、ポジションをいきなり換えて、すぐに「これはいい」なんてことにはならないでしょう。だってそういうポジションになる事で使う筋肉に耐性がないんだから。
かと言ってストイックに乗り込んで(筋肉を作った上で)比較検討、なんていう作業を行うようなスタイルではありませんのでポジションについては「この先も精度はあげるけど、スタンダードでOK」という考えを固めたってことで。
今回の前乗りについてはざっとですが、3~4cmほど前方に移動させました(適当だったのでmm単位で合わせていない)。
ちなみにこの作業を行った後、シートポストも変更しました。
シートバック、つまりオフセットが「ゼロ」のアルミのものを使っていましたが、2cmほどオフセットしたカーボンポストに戻した格好です。
軽量アルミよりカーボンの法が多少重量が増るのですが、アルミに換えた時には感じなかった振動吸収性の差が、カーボンに戻したことで、実はそれなりに違いがあった事がわかりました。ええ、カーボンの方が和らぎます。つまり乗り心地の面でも戻して正解だったと感じた次第。
ポジションとシートポストの材質を戻した後にそこそこの長距離を走った感触としては「やっぱり全然違う」です。
なのでポジションは大事です、というお話でした。
皆さんも極端なポジション変更をする時は覚悟して臨んで下さいませ。