そうそう、前回「エンジンSTOP/START機能」なんて書いてましたが、間違いでした、すみません。
いわゆるアイドリングストップ機能ですが、このESS機能を持つクルマを「所有」するのは地味子がはじめてになります。
ESS機能を持つクルマは、結構古くから運転した事はありました。
まあ、試乗なんかもありましたし、最近は2014年モデルのEVOQUEで長距離走りましたっけ。ハイブリッドアクアとかはさらに長距離ドライブで使用したりして。そう言えばEVOQUEの乗り換えで候補車を一気乗りしたんで、今年はESS機能付きのクルマを結構な台数乗り比べております。
まあ、チョイ乗りの試乗車は別にしても、最近乗ったESS付きのクルマでは飛び抜けてEVOQUEがひどかったです。もう、突出していますね。マナーの悪さが。
なので、ある意味覚悟は出来ておりました。「どれに乗り換えても、あのEVOQUEよりはマシだろう」と。
で、XC60です。
ディーラーの試乗車を運転した時には、別項目のインスペクションに夢中で、このESS機能にいては営業氏に「アイドリングストップもなかなかいいでしょう?」と言われるまでその機能が働いてたことに気付きませんでした。
つまり「(EVOQUEより)悪いわけはない」と安心していたのですが……。
実際に納車されてからは、逆にESS機能のマナーに神経が集中するようになりました。ええ、もちろんわかります。ただ、EVOQUEと比べるとこれはもう「天国的」です。個人の感想だとかひいき目だとか何と言われようが私は両車のそれは「全く別の装置」だと言い切ってしまって後悔はしません。
比較できる個体の数が少なくて申し訳ありませんが、アクアよりマナーはいいです。これなら頻繁なゴーストップ環境がほとんどの私の街中モードでも敢えてオフにしたいとは思いません。これで燃費が稼げているのならどうぞエンジン駐めて下さい、エンジンかけて下さい、という感じです。
たぶん、一番大きい差は、実はESS機能そのものではなく、トランスミッションの出来じゃないかな、と思います。EVOQUEはつまりせっかくのESS機能を「切りたくなる」ほどトランスミッションのショックが大きいのです。
ここは日本メーカーがタッグを組んだ、XC60の新しいDRIVE-Eパワートレーンの出来が相当にいいんだと思うべきでしょう。
言い換えると、EVOQUEにこのデンソーがControlするアイシンAWの8ATを付ければ、このクラスじゃ乗り心地以外は死角が無くなるんじゃないかと思います。ついでにエンジンもフォードのエコブーストをやめて、かつての盟友VOLVOから買っていただけるとWin Winの関係になるのではないでしょうかね。VOLVOは今後、すべてのエンジンをこれ(二リットル直列四気筒ターボ、DRIVEーEエンジン。出力は過給器やブースト圧などで様々に調整)一つでまかなっちゃうと豪語しているので、外販できるだけの製造能力がラインにあるかどうかは知りませんが。
言い換えるとそれだけこのエンジンとトランスミッションの組み合わせはよくできていると思うんです。
XC60のESSマナーについて、少し。
カタログデータ的には7km/h以下でエンジン停止、とあったので、頭の中ではちょっと早くエンジン停止しすぎじゃね? などと思っていましたが、実際に動作を見ていると、7km/hってほとんど止まる寸前って感じで、他のESS車と比べても違和感はありません。
むしろブレーキペダルの踏力を抜いてからエンジンが再スタートするのはEVOQUEやAQUAより気持ち早く感じますので、全体として極めてスムーズな動作ではないでしょうか。
もちろん完璧な出来映えだなんて言うつもりはありません。再スタート時にはそれなりに振動があります。EVOQUEにしろXC60にしろそれなりのアッパーミドルカーの部類ですから、エンジンスタートについてはもう少し音と振動を抑えて欲しいところですが、これは構造的な問題であってXC60だからどうのこうのとは言いづらいですね。
横置きFFだとこれ以上求めるのは酷なのかもしれませんが、ESS機能がもはやアタリマエになりつつある時代だからこそ、構造的な問題だと言って終わりではなく、ここに真剣にメスを入れる時が来たのではないかと思います。
縦置きFRがいつまでもあぐらを掻いている間に、ウィスパー機能を身につけられるように頑張って欲しいものです。
ちなみにエンジンスタート時の音と振動は感じますが、ここでもEVOQUEの9ATモデルに見られる様な、古いATでNからDに入れた時の、トランスミッションがいきなり繋がるようなあの振動は皆無と言っていいくらいです。VOLVOの新しい8ATは総じて滑らかな感触で、よく調教されているなあと感心します。問題は経年劣化ですが、それはその時にならないとわかりませんからね。
XC60のESSですが、ON/OFFは極めて簡単です。フローティングセンタースタックに独立したスイッチがあり、それを押せばON/OFFの切替ができるという寸法で、作動中は液晶インパネにインジケータが出ます。