★見える人と見えない人

私はデジカメ黎明期からのユーザーです。(初出:2015/02/26)

もっとも世界最初のデジカメを買った、とかそこまで遡るほどのコアなお金持ちではありませんので、最初に買ったデジカメはカシオのQV-10でした。Appleが発売していたQuickTakeなんていう液晶画面が存在しないデジカメも持ってましたっけ。
そうそう、東京モーターショーの取材を最初にデジカメでやったメディアは私じゃないかと自負しているんですが、どうでしょう?(誰に聞いてる?)そう言えば私が買った最初のデジタル一眼レフは「EOS D30(30Dではない)」でした。センササイズは主流のAPS-Cサイズでしたね。最初にかったライカ判というか135判フルフレームサイズの一眼レフはまだ京セラがカメラメーカーであった頃のCONTAX N Digital。そうそう、KODAKもその昔135判フルフレーム一眼レフを作ってて(というか大手メーカーの改造品ですが)、DCS 14nなんてのも買っちゃいましたっけ。
ええ、CONTAXもKODAKも私の評価としては使い物にならなかったですけどね。

そう言うわけでデジタルカメラの変遷をまさにリアルに体験してきている私ですが、デジタルカメラはまだまだ進化の先が見えない状況です。
「画質」というフィルムカメラが持っていたカメラ本来の着地点というか目標については随分前から「もう充分じゃね?」と思っているわけですが、画質に辿り着く前のテクノロジがいつまで経っても熱いんです。
なかでもフィルムカメラではそもそもあり得ない、つまりデジタルだからこそ実現した機能には素直に脱帽します。
そのもっとも重要なギミックは俗に「ボディ内手振れ補正」というレンズではなくセンサ側を動かして手振れの補正を行うもの。
フィルム時代でこれをやろうとするとフィルムを超高速で動かす、という事になるので相当ムリ目な技術ですし、たぶんどのメーカーもやろうとはしないものでしょう。
ミノルタがこの方式の手振れ補正機能を搭載した時、私は思わずガッツポーズを取ったものです。
「とうとうデジカメはここまで来たか!」ってな感じでした。
今ではミノルタという名前の会社はありませんし、後継会社のコニカミノルタはデジカメメーカーではなくなりました。
つまりあれから随分たったのだな、と時の流れをしみじみと感じるわけです。
今のところデジカメを使い始めて一番驚いたのがこの機能でした。
今ではキヤノンとニコンという昔ながらの保守系メーカーを除く多くのメーカーがボディ内手ぶれ補正機能を採用しています。
コンシューマレベルでは現状オリンパスがもっとも強力で、次いでソニー、その次がリコーという感じでしょうか。Panasonicはまあ「取りあえず載っけてみました」レベルで「次回作に期待」みたいな感じですが。

デジカメの「もんげー」技術を歴史的に追っていくのはこのエントリの主旨ではないので話をサクっと端折りますが、その「もんげー」と思える技術の一つが「顔認識」です。
わかりやすいですよね、顔認識機能。文字通り、顔を見つけて自動的にそこにピントを合わせるという機能です。私の記憶が正しければデジタルカメラとしては、ニコンが最初に世に問うた技術で、搭載一号機(たぶんCOOLPIX 5900)を購入して試しましたっけ。
今では「顔認識」機能なんて着いていてアタリマエ、みたいな感じになりましたよね。昔は人間の顔だけだったのが、犬とか猫の顔(どこまでが顔なのだろう?)も認識できるカメラも出てきたりで、カメラの本質というよりちょっと笑っちゃう系のギミックですが、素直にスゲーなって思えるテクノロジだと思いませんか?
そうそう、ソニーなんかはさらに進化させて、単純に顔を認識させるだけじゃなくて、表情まで解析しちゃうぜ! ってな感じでスマイルシャッターなんていう機能を現在販売しているカメラの多くに搭載しています。ちなみにスマイルシャッターとは、「顔にピントを合わせるのはアタリマエ。ソニーはその被写体が笑顔になったら自動的にシャッターまで切っちゃいます」という便利で面白いかもしれないけど、余計なお世話ギリギリの機能を開発しちゃったわけですね。
あ、私は使ってますよ、この機能。最初はウケますし、シャッターを切るタイミング? も「微笑、普通の笑い、大笑い」みたいにパラメータ調整までできますのでかなり遊べます。
なんというか、この機能を使うとセルフタイマーを使わずとも自分撮りが出来ちゃいますからね。
精度はかなり高いです。カメラがアナタの顔を認識すれば、ですけど。

そうそう。顔認識機能といえば、数年前に悲しいお話がありました。
私のカメラが、我が社に入ってきた大卒の新人の女の子の顔だけ認識しないんです。
嫌がらせのように。
ええ、ブス子ちゃんだったんですが、説明書を読んでも「ブスは認識しません」とは書いてません。でも、どうやってもその子だけ認識しないんです。
「これは……人間じゃないからだな」(当時は犬猫認識機能はまだ世に出ておりませんでした)
「ひどい、セクハラです」
「いや、セクハラじゃないよね?」
「人格否定です」
「否定しているのは私じゃなくてこのカメラだからね。そこの所は間違えないでくれたまえ。あと否定されているのは人格じゃなくて生物学的な問題だから」
「よけいにひどいです」
「ひどいよねえ、うん。ほら、天井のシミにさえ反応してるのに」
「ムキーっ。私は人間じゃなくて天井は人間なんですか?」
「いやだから、私に怒りをぶつけるのは止めたまえ。判断しているのはカメラなんだから。ほら、全然認識しない」
「ニコンのどちくしょー! 私、一生ニコンのカメラは買わないっ」

ドSな私にとってこれは格好のいじめのネタでございました。
ブス子ちゃんでしたが、面白い系の顔でしたし、明るくて性格が前向きでみんなに愛されていた良い子でしたね。なんかあっと言う間に寿退職しちゃいましたけど、その後の彼女vs.顔認識システムの経過がきになっております。

さてさて、ここまで相当にムダな文字を垂れ流している私ですが、一応ヒントを出しております。
明るくてみんなに愛されていたブス子ちゃんがいったいどういう顔だったのか、という疑問が伏線ではなくて「天井のシミを顔認識する」という一文がそれです。
そう、人間以外の「え?」ってなモノに合焦しちゃうことがよくありましたし、いまだにあります。
皆さんもそういう経験ありませんか?
もっともいわゆる「顔みたい」なモノに合焦するのは「まあ、そうかもね」と納得できます。でも、「え? そこに顔なんてないよね?」 みたいな空間に合焦したり、どう考えてもただの壁とか誰も居ない林とかに合焦しちゃうと、その時のシチュエーションによっては背中に戦慄が走ることがあったり無かったりするわけですよ。
これは当然私だけの話ではなくて、経験されている人は多いはずです。
知り合いが「変なところを顔認識している~」なんて笑っていると、私は必ず「どこ?」って聞きます。
「あそこ。ホラ」なんて示してくれるわけですがそうなると私は真顔でこういうんです。
「顔、あるじゃん」
「え?」
「正確には顔みたいなものだけど、何となくそう見えるよね?」
「え?」
「ひょっとして、アレ、見えてない?」
「ええええええ?」

私の経験ではオリンパスのカメラがよく霊を捉える感じです。顔認識もスマイルシャッターから異世界シャッターへと進化しているわけなんですよ。

「あの、ひょっとして『見える人』なんですか?」
「(なんで信じる?)見える人って何?」
「その、霊とか、そんなの」
「(なんで信じる?)あー、さっきのは霊だったのか。そう言えばここ、以前はお墓だったみたい(うそ)」
「うひゃああ」
「君、オトコのくせに『うひゃああ』はちょっとアレだと思う」
「すみません」
「いや、謝るようなことじゃなくて、私は単純にバカにしているだけだから」
「ええええええ?」

そう言うわけで、見える人と見えない人が居るようですが、皆さんはどっち?
私は……。
そんな事より本題に入りましょう。

自慢になりますが、私は子供の頃から動体視力はなかなかのものだったようです。
ガキの頃は道路脇にならんで通り過ぎるクルマのドライバーが付けているネクタイの色と柄の当てっこをしたりしてましたが、誰も私の認識力に敵いませんでした。
ちなみに中学高校で春に良くやっていた「身体測定」ではいつも学年でトップクラスでした。チビだった中学時代と違って普通の体格になった高校では校内でトップ。いくつかの項目ではダントツの数値をはじき出しておりました(背筋力270kgとか握力90kgとか)。もちろん私は全く体を鍛えたりしてませんでしたし、スポーツ系のクラブにも入っておりませんでした。
そうそう、腕相撲だけは学年トップというわけにはいきませんでした。鍛えてるヤツが多かったので腕相撲用の筋肉が足りなかったのでしょう。それでも学年で五本の指に入っていたので、時々勝負をいどまれておりましたっけ。
まあ、私の人生における一番の失敗は、そういう自らの運動能力や動体視力といった身体的な高スペックを全く生かそうとしなかった事じゃないかと、今になって反省しておりますが、そもそも人に従うのが大嫌いでモノグサで怠惰な私が厳しいトレーニングなどに耐えられるはずもなく、やってもやらなくても結果として同じだったんだろうな、と冷静に分析してしまうわけですが。
たらればの世界なんていうシミュレーターが出来上がったら、「小学校からスポーツの世界に足を踏み入れていた私」の人生を見てみたいものです。
超ハッピーな私の性格で予想すると、野球をしていたらイチロー越え、サッカーしていたらドイツに帰化してワールドカップのMVPを3回連続取ってる感じになっていたに違いありません。

え?
ええ、よく言われます。「お前の頭の中はなんでそうお花畑なのか」と。
いいじゃないですか。そのおかげで毎日おもしろおかしく暮らしてるんですから。(・∀・)

そんなわけで先日の話です。
さて、いよいよ本題です。
「でるぞ。そろそろでるぞ」的な出る出る詐欺も過去の話。ここからはマジで本題です。
そう、先日の事。
私は同居人と撮りためたアニメビデオを消化しておりました。
その時、見つけてしまったんです。
「あれ、今のEVOQUEだよね?」
同居人は全く気付いておりませんでしたので、
「えー、まさかEVOQUEとか出ないんじゃ?」
「いや、間違いなくEVOQUE、それもCoupe Dynamicと見た」
ストーリー途中でしたが、そこはビデオのいいところで、件のシーンをリプレイしてみました。
「ほら」
しかし、同居人は
「ええ? 言われたらそうかもしれないけど、短すぎてわからない」
確かに短いというか、ほんの一瞬、登場人物の前を横切るだけなのですが、画面一杯に写りますし、なんでわからないのだろうと思う私は、動体視力の差だと気付いたわけです。

で、それがこれ。
私の認識通り、Coupe Dynamicでした。

ただ、よく見るとこのEVOQUEのオーナー、結構モディファイしているようで、フェンダーアーチのマッドガード部分はボディ同色。あと、Dynamicなのにドアミラーもボディ同色に塗ってました。ブラックのドアミラーカバーを、敢えてボディ同色に塗るモディファイは私と同じで、センスが近いオーナーなのかもしれません。

もっとも個人的にはフェンダーアーチのマッドガードは樹脂のままのあの黒い方がクロカンというかSUV感があって力強い感じがして好きですし、フロントフェンダーサイドのエアスクープっぽい黒い飾り部分までボディ同色にしているのは「やり過ぎ」感があって好きになれませんケド。
なお、フロント部分はなし。いきなりフロントフェンダー後部から登場して、主要キャラのノノハの前を横切って去っていく感じです。

ビデオのコマ数をカウントしてみたら20コマでした。テレビは1秒29コマなので20/29、つまり0.7秒に満たない登場でしたが、スタッフにEVOQUE好きがいたんだなあ、と思うと嬉しくなってしまいました。
もっとも色指定した人はEVOQUEをわかっていないようで、全部ブルーにしちゃって台無しでした。

というわけで、1行でまとめると
「EVOQUEがアニメに登場してて感動した!」
というお話でした。

そうそう、アニメのタイトルは
「φBrain(ファイ・ブレイン) 神のパズル 第三シリーズ」
でございます。
ツッコミ所満載のNHKアニメで、なぜかものすごい建設費をかけて作られたパズルをありえない頭脳を持つチャライ格好をしたガキが命を賭けて解いていく、というもの。パズルブームに載っかる形で作られた作品のようです。世界観がアホらしすぎて笑えますが、結構面白いんですよ。
少なくとも某有名アニメ監督の息子が監修しているおなじNHKアニメの「山賊の娘ローニャ」よりは素直に視聴できます。(・∀・)

Natsumi Amagase

【文書作成の以来、歓迎です】 口は悪いが愛はある? モノ好き(「物好き」ではない)のフツーのサラリーマン。 主にデジタルガジェット、時たま家電ネタが中心です。最近はややもすると自転車ネタに流れる場合も。 お問合せ先:natsumi%mono-ludens.com ※%を@に変えて送付してください

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