朗報です!
エンジン・トランスミッション・出足など、車としての基本性能は決して低くない、いやそれどころか充分パワフルで満足できる内容を持っている日本仕様のEVOQUEですが、こと、その部分ではXC60にはやや後れをとっているのも事実。
あ、満足できる内容を持っているトランスミッションは2013モデルまでの6ATに限ります。さすがに9ATは評価に値する出来とは言い難いので……。すみません。
EVOQUEびいきの私も、まさかこの世にこんなライバルがいたとは知りませんでした。
いえ、EVOQUEは行ってみればグラビアアイドル。そんな別世界のクルマに首ったけだった私が、ご町内の三つ編みメガネ委員長に意識が行くわけがないのです。
もちろんEVOQUEはただのグラビアアイドルではありません。
いまだにあの価格であの装備とあの足腰のクルマはリーズナブルだと思います。
シティ派のツラをしていながら、オンデマンド系ではたぶんアタマ一つ以上抜きんでた悪路走破性能を有しているわけで、 草地すら登らないVOLVOのAWDとは格が違うわけです。
でも、三つ編みメガネの真面目委員長、天才でも秀才でもありませんけど、真面目にコツコツやる努力家タイプなので、グラビアアイドルよりは成績がちょっと良かった、という程度のお話でございました。
だがしかし。
ルックスと悪路走破性、そして品のいい豪華な内装と高品質なコノリーレザー以外にも、XC60より秀でている所があるんです。
つか、アレです。
「下には下がいる」
です。
色々素晴らしいEVOQUEですが、アレが残念なのは多くのオーナーの認めるところでは無いかと思います。
そう、アレです。
純正カーナビ。
結構どうしようもないな、と思いつつ、アホはアホなりに諦めて付き合う事にしていた我が家に再び訪れた驚愕。
それがXC60の純正カーナビでした。
地味子のカーナビですが、中身は「まんま」EVOQUEのと同じです。
最初に「ん?」と思ったのは、案内のお姉さんの声でした。実に聞き覚えのある、というか馴染みのある声なので、「もしかして?」と思っていたら、決定的な証拠が。
EVOQUEのナビのお姉さんには特徴があって、我が家の近くにある、とある重要な交差点の発音が毎回笑ってしまうような唐突で力の入ったしゃべりで伝えてくれるんですが、XC60のナビの中のお姉さんも、その交差点にさしかかった時に全く同じしゃべり方だったんです。
これはもう、地図と音声は一緒だな、と。
で、調べて見るとXC60のカーナビはデンソー製。2013年モデルのEVOQUEのそれと同じでした。
やっぱり、でございます。
中身が同じなら、同じじゃないの? と思われるでしょうが、どっこいそうは問屋が卸しません。
ベースは同じでも、インタフェイスがまるで違うんです。
あ、サイズも違いますね。
EVOQUEは8インチの大型画面でしたが、XC60は7インチ。
7インチは今の標準の画面サイズだと思いますが、8インチになれると小さく感じます。
まあ、三日で慣れましたが。
いや。サイズはまあ、いいんです。
問題なのは既述の通り、操作系のインタフェイス。
まず、タッチパネルじゃありません。(×)
操作はセンタースタックにあるボタン(1)、ステアリングの右側にあるボタン類(2)、リモコン(3)の三つ。
いやまあ、それはまだいいんです。ある意味タッチパネルより使いやすい部分もあるかもしれません。
問題は、文字入力です。
アルファベット入力用に考えられたボタン操作系インプットメソッドをそのまま日本語用に持ち込んでいるので、これが発狂する程使いにくいんです。
インプットメソッドを呼び出すと、そこには文字がずらっと並んだサークルが出てきます。
これ、アルファベット圏なら、全ての文字がここに並べられて、ダイアル操作で文字を選び、そのままOKを押して文字を確定、ということが一画面でできるので、さほど目くじらを立てるインタフェイスではありません。
だがしかし。
これを日本語でやるとどうなるか?
知能の低いアホが考えた……いや大してなにも考えずに、単純に「あ行」で1サークル、「か」行で1サークル、みたいに、イチイチ「○行」を選んでからグルグル回して文字を確定、というロジック。
電話番号入力でのサーチ以外、使う気になれません。
とは言え、電話番号でサーチできないものも多いですし、電話番号がわからなければ住所とか名称を入力するしかありません。
つまり、コイツに目的地を入力する場合は、
1)まずはスマートフォンで目的地を検索
2)電話番号を調べる
3)電話番号入力機能で目的地を設定
という手法をとることを強く推奨します。
一件、手間がかかるようですが、急がば回れで、これが一番ストレスのない方法ではないかと私は思う次第です。
で、不幸にも電話番号で目的地が見つからなかった場合です。というか、たぶん不幸な事態に陥ることは多いのではないかと思います。誰もが、いつもいつも電話番号がある場所に行くとは限りませんからね。
電話番号がない場合
1)目を閉じる
2)深呼吸する
3)呪詛の言葉を二つまで言う
4)天(天井)を仰ぐ
5)十字を切る(仏教徒の場合は宗派により南無阿弥陀仏とか南無妙法蓮華経とかを唱えるといいでしょう。イスラム教の方はコーランの一節、ということになるでしょうか。無神論者の私は呪詛の言葉をもう一つ唱えます)
6)諦めて文字入力を行う
施設やお店などだと、ジャンル検索も出来ますが……。
VOLVOのナビ、実はロータリー方式じゃないんです。一方通行。ズーッと検索していって、一番下に来たら、そこでテコでも動きません。ア行からンまで行って、カ行あたりにもう一度行きたいと思ったら、ずっとスクロールを戻す必要があります。もっともいったん戻って再度入り込むとそこはア行から始まるようなロジックなのでケースバイケースでやり方を変えるといいでしょう。
という感じです。
なんだそれだけ? と思ったあなたはなかなか心が広いです。
これだけでももう私はイライラを通り越してイライライラくらいまで来てます。
でも、駄目押しがあるんです。
これについては納車時に営業氏がなぜか縋るように是非ナビの説明だけはさせてくれ、と言うので聞いていると、真っ先に知らされた事実があまりに衝撃的だったんです。
人間、驚きすぎると笑いが出ますよね。ええ、私も笑っちゃいました。
「すみません、自宅の登録はできるんですが、自宅に帰る、というボタンというか、そういう機能はありません」
「は?」
「自宅に帰りたいときは、自宅を予め登録しておいて、そこから選ぶ手間が必要です」
「は?」
それ、どこの世界のナビ?
大昔のナビでも自宅に帰る、というショートカットはありましたよ? よ?
「すみません」
いえ、営業氏が悪いわけじゃないんです。それはよくわかります。地味子だって悪くない。悪いのはまたしてもVOLVO本社か、インポーターなんです。
というか、VOLVOってカーナビ、なめすぎじゃね? 嫌ならタブレットとかポータブルナビの設置場所みたいな所を作ってくれて良いんだよ?
なんじゃコレ?
しかし、驚き……いや呆れるしかない事態はさらに続きます。
「自宅登録しておきますね」
と、言って真っ先にその操作をする営業氏。気まずそうな雰囲気に嫌な予感を覚えた私。
「実は……」
「自宅登録に任意の文字を使えるのですが……」
「うん(アタリマエだろ)」
「でも、このナビ、漢字変換は出来ないんです」
「え?(どゆこと?)」
「ひらがなの『じたく』になります」
「ええええええええ?」
リカちゃんハウスのカーナビかよ! つか子供専用カーナビかよ! というか子供っつっても、幼稚園レベルだろ、それ。
私は思わずビミョーな後悔に苛まれました。
しかし、画面をよく見ると、そこには微かな救いがあったのです。
「これ、アルファベット入力はOK?」
「あ、それは出来ます」
「じゃあ、homeにしておこう」
「それが宜しいでしょうね」
とまあ、こんな感じなんですよ、地味子のカーナビって!
だからEVOQUEオーナーの皆さん。安心してください。EVOQUEのカーナビは最低のカーナビなんかじゃありません。最低のカーナビというのはVOLVOのカーナビの事です。皆さんのカーナビは結構いいカーナビなんです。かなり使いやすいカーナビなんです。自信を持って生きていってください。
嗚呼(´;ω;`)
そうそう、そんな地味子のカーナビですが、それでも目的地までは案内してくれるわけで、文句を言いつつも使えればいいわけですよ、使えれば。
でもね。
あれはそう、納車から数えて四日目の夜。要するに昨日の夜の事でした。
「あれ?」
走り出して少しして、Yearな、じゃなくて嫌な予感がしました。
いつもなら微妙な明るさを伴った発光体が左下に見えてくるんですが、なんか暗いんです。
えっ? と思って視線を向けると……画面、真っ暗です。
いや、正確には真っ暗じゃなくてバックライトにテラされて濃いグレーみたいな感じです。しかも全体が真っ暗なわけではなくて、「オートエアコン」とかいうマヌケなカタカナが表示されてます。
私はNAVボタンを押してナビ画面を呼び出しました。
→ 無反応
iPodの音楽を聴こうと、Mediaボタンを押しました
→ 無反応
ラジオにしてみようと、RADIOボタンを押しました
→ 無反応
ならば電話はどうなんだ? と思ってTELボタンを押しました
→ 無反応
MY CARは?
→ 無反応
ダメじゃーん!ヽ(*`Д´)ノ
そう。納車四日目で早くもこの不具合。
エンジンオフにして、少し間を置いてかけ直しを二回やりましたがリスタートせず。
ううむ。
かわいそうな地味子の明日はどっちだ?