ここには今回、新機軸? のサイクルスタンドがお目見え。
もっとも新機軸ではなくて余所では見たことがあるんですけどね。
サドル部分を吊り下げるサイクルスタンドが主流ですが、これはホイール(というかタイヤ)を突っ込んで挟み込むタイプ。
基本的に細身で軽いロードレーサー向けですが、ロードレーサーであればタイヤとの摩擦でしっかりホールドされます。
サドル前部を引っ掛けるサイクルスタンドって、便利なようで実は不便なんですよね。
まず、大勢が使おうと思うと接触したりします。混んでるのに無理矢理使おうとする人がけっこう居て、無遠慮にぶつけてスペースつくって自分のバイクぶら下げる、なんていう光景を目にする度に嫌な気持になりますね。
それから、そもそもバイクを持ち上げてサドル部分をバーに引っ掛けるという行為が難しい。
厳密には難しい人がいると思います。
力のない女性にとって軽いとは言え自転車を持ち上げるのはけっこう大変です。
若くて体格のいい女性ならまだしも、昔の娘さんで、かつ小柄な方だったりして、さらにバイクにバッグとかつけていると重くなりますのでかなり大変なハズ。
そんな人達の声を受けて(たぶん)登場したのがこのタイプ。
これは本当にイージーです。
もっともしっかり奥まで突っ込まないと固定されないのでその点だけ確認すればオッケーです。力いりませんから。
ただし、これにも使い方があって、できるだけスペースを稼ぐ為にバイクのタイヤは交互に差し込むんです。
両サイドは後輪を差し込み、真ん中は前輪を差し込む。
交互に入れる事で、となりのバイクとハンドルが接触することがないという考え方です。
でも係の人もいないし誰もそれを理解していないようで皆さん無理矢理前輪を突っ込んでおりました。
お節介とは思ったのですが、無理矢理入れようとしていた人にその旨お伝えしたところ「ああ、そう」と行ったきり前輪を突っ込んだままどっかに行かれました。
結果として前輪突っ込んでも設置ができるにはできるのでいいんですけどね。
すみませんね、お節介で(どなたかは存じませんが)。
因みにこのスタンド、よく見るとそれぞれのスリットに「前輪」「後輪」と書かれてはいましたが、まあ誰もあれは読まない(読めない)だろーなーって思いました。
なお、興味が湧いたのでざっと計ったところ、前輪同士でもハンドル幅が420mm同士だと全員前輪でも設置可能な間隔にはなっていました。
以前見たヤツはもっと狭くて互い違いに入れざるを得ない感じでしたけど。
このスリットタイプのスタンドのメリットは、利用者としては楽に設置できる事につきます。
設置する側としては、吊り下げ式よりもコンパクトだという事でしょうか。
ご覧の通り両面にバイクを設置できて、都合6台分でこのサイズ。
デメリットはその辺の? パイプを組み合わせれば簡単に作れる吊り下げ式スタンドと違って、ちゃんとサイズを設計して、鉄工所さんなどでオーダーで作ってもらう必要があること。つまりコストがかかる事ですね。
いや、いくらか知りませんが、こういうイベントの為にとか、地域活性化の自転車誘致に協力ということだったらそれなりにそれなりなのかしらね。
もう一つのデメリットは、専有面積が広いことでしょうか。吊り下げ式サイクルラックはバイク一台分の長さ×ラックの長さですが、これは(バイクの長さ×2)×(バイクの横幅×3)ですから、長めの面積を確保する必要があります。
個人的にはイベントにはこういうラックがもっと普及して欲しいなあと思います。
言い換えるなら、このラックがたくさん設置できるような場所をゴールやASに使って欲しいと。
以上、楽ちんなサイクルスタンド普及委員会? より。