アワイチ当日、4時半頃に起床した私は、すぐに腕に巻いた活動量計(GARMIN VIVO Smart HR J)をチェックしました。そこには降水確率20%と表示されていました。
梅雨まっただ中なので、40%越えるかどうかは当日までわからないなと思っていたのですが、この数値を見て決心が固まりました。
もっともベランダに面したカーテンを開けるて淡路島の方角を見ると、かなり厚い雲に覆われているように見えたたのですが……。
一応、ピンポイント系の天気予報サイトをチェックすると、淡路島に雨が降り出すのは夕刻以降。
具体的には18:00から10%~20%と言ったところで、予定通りに走れば余裕でクリア(ゴールに着いている)しているはずの時間帯です。
最後の30分なり1時間くらい雨に降られたとしても、クルマに辿り付きさえすれば乾いたタオルがありますし、なんならそのまま近くの銭湯にでも駆け込んで風呂に入って着替えでもすればリフレッシュにもなりますから全然オッケーだと考えました。
結果として雨は降らなかったのですが、それだけではなく、今回は天候には本当に大いに助けられました。
まず、直射日光がありませんでした。
日中はほぼ薄曇りで、体力(と気力)を削ぐ直射日光を遮ってくれていたのは大助かりです。
もっとも曇りであっても紫外線量には関係ないので、顔などの日焼け対策はきちんと行いました。
それに、何と言っても風。
この日はほぼ無風でした。
帰路の「淡路サンセットライン」では向かい風を覚悟していたのですが、これもなし。
むしろ時々軽い追い風が吹くほどでした。
つまりは今回は比較的楽なアワイチ南淡107kmライドだったのだと思います。
それからこれは準備に関する事ですが、何しろ今回はメンタル的にネガティブな要素があまりありませんでした。
コースはあの使いにくい「ルートラボ」を使って自分で引きました。なのである程度は頭の中に入っていますし、GARMINに放り込めば道をロストする事がないとわかっていますので道案内に関するストレスは皆無でした。
さらにルートラボでルートを引くと、いわゆるプロフィールマップが自動生成されます。
つまり今どこにいて、これから先の勾配はどうなっているのかが「見える化」できています(手元のGARMINでも随時チェック可能。この機能も実に便利で助かります)。
ルートの全貌が予めわかっていて、かついつでもチェックできると、疲労というか体力配分にかなり大きなプラス要因になります。
今回のルートでは、前半の55kmにほぼ全ての坂が集中していました。
つまり体力・気力がまだまだフレッシュで充分なうちに難所を越えることができる計画でしたし、その上で「峠は多いのでムリはしないぞ」と言い聞かせながら本当にムリのないペースで平地部分もこなしていましたから、107kmを走り終えた時点でも私はともかくツマの足は全然終わっていませんでした。それどころか後半の方がむしろけっこう元気でした。
ゴールした時に調子を訊ねると「坂はイヤだけど、少しくらいだったらまだ走れる」と言うくらいですからね。
後半になるとゴールすることに意識が持って行かれ、自分でも知らぬうちにペースが速くなったり、休憩をオソロカにしたりしがちな私なのですが、今回は膝の痛みもあって後半それほどムリすることなくペースを守れました。なので、私自身もゴールしても膝以外はかなり余裕がありました。
また、今回は補給を計画的にするという目標を立てていました。
夏至を過ぎたばかりの6月。しかも早朝から走り出すわけですから時間は充分にあります。
そもそもタイムトライアルではなくロングライドを無理なくこなす事が目標なので、「お腹が減らないからまだいらない」的な観点ではなく、「無理なく完走するために、計画的に補給をとる」という取り決めを行いました。
なので計画的な補給食の摂取とこまめな水分補給、サプリメントの錠剤などを用いたミネラル系の補給なども「それなりに」行えたので、体力的にも余裕があったのだと思います。
「それなりに」というのは「結果として、計画より少なかった」からで、今回は100kmだからオッケーだったけどセンチュリーライド、つまり160kmだと保たないかもず、その辺は反省点にしておこうと思います。
それから今回、危うく衝突事故に遭う場面がありました。
場所は3つめの福良へ向かう上り坂の途中です。
ほとんどクルマ通りのない山あいの道なのですが、むしろそういう場所だからこそ起こった事件かもしれませんが……。
ぶつかりそうになったのはクルマやオートバイやバイクじゃなくて、なんと「鹿」です。
まだ斑点がある子鹿が、進行方向に向かって左側の藪から道路へいきなり飛び出してきたんです。
びっくりしましたが、そこは登り坂。運が良いことに? 私は貧脚。あっと言う間に止まれましたので接触は回避できました。
それでも、ボーッとしていたらヤバかったかもしれません。ブレーキを賭けていなければ間違いなくぶつかっていたでしょう。それから下りだったらブレーキしても止まるのに距離が必要ですからまったくダメだったでしょうね。
止まったものの、お互いびっくりしていたので数秒間はお見合いです。
鹿もそのまま道を横切って通り過ぎてしまえば接触などしにくいでしょうけど驚くと止まっちゃうんですよね。で、下りだとブレーキを掛けても間に合わずにドカンとぶつかる可能性大でした。
ということで子鹿との遭遇は幸いにも上りだったので事なきを得ましたが。
こちらが止まり、鹿も立ち止まってお互いにちょっとガンを飛ばし合ったあとで、バンビちゃんは出てきた藪の方に退散していきました。
その後、私の後でその場所を通過したであろうツマに「鹿、いた?」とたずねると「いたいた! 道端でこっちをじーって伺ってた」とのこと。
きっと私とぶつかりそうになってビビったバンビちゃん、道に出たらまた自転車にぶつかるかも、なんて思って迷っていたのでしょう。
当然ながら私は自分が悪い事をしたとはこれっぽっちも思っていませんが、あのバンビちゃんがクルマなどには轢かれないことを心より祈っております。
さて。次は悪かった事。
というか、気になったことなど。
膝の痛みについては最後にまとめるとして、それ以外だと今回はドライバーのマナーの悪さが目に付きました。
今まで何回か淡路島をバイク(自転車)で走っています。その時にはさほど感じなかったのですが、今回は我々を追い越す際にわざわざ威嚇するようにギリギリを通るクルマがけっこう目に付きました。
もちろん余裕で対向2車線がある道で、奴らはそういう行為を行うのです。
広い道よりむしろ狭い道の方が、なんというか我々もそうですが、ドライバー側も気を遣ってくれる事が多くて安全なくらいです。
サンセットラインで一部車の対面通行も困難な場所があるのですが、そこでは前からやってきた大型観光バスがヤバかったッス。
運ちゃん、車両感覚が乏しいのでしょう。左を大開けにしてあろうことか右側を詰めて走って来るんですよ。
前から来た車に幅寄せされるとか、さすがにあまりない体験でした。
あんなでっかいフルサイズの観光バスが数台連なって走っていましたが、ツアー会社ももうちょっとルートを考えたら良いのになあって思います。リスクを負ってまであそこを通らなければいけない理由がちょっとわかりませんし。
まあ、道になれてなさそうな他府県ナンバーの大型観光バスはほっといて、それよりやっぱりタチが悪いのはミニバン系のドライバーですね。日本全国、どこの道でも奴らは相対的にマナーが悪いドライバーが多いと思わざるを得ません。
というか、何でミニバンに乗る連中はああいう危険な走行をするのでしょうかね。
大阪や姫路といった地元以外のナンバーはアワイチしているサイクリストに慣れていないのかもしれませんが、地元の神戸ナンバーの幅寄せミニバンもたくさんいました。
一度なんか、けっこういいペースのサイクリストが私達に声をかけて追い抜いて言ったところに、わざわざけたたましくホーンを鳴らしながらそのすぐ横をかなりの速度で二重追い越しを掛けてきた黒い泉ナンバーのミニバンは特に危なかったなあ。
そこもけっこう広い道でした。なのに私達を追い越した直後のサイクリストに接触するんじゃないかと思えるほどギリギリを追い抜いていくんですからね。つまり左に寄せながら、クラクション鳴らしながら、あまつさえ無意味に加速しつつ。
あまりにひどい運転だったので、「殺人未遂のドライバーがいました」ってその場でとっさに覚えたナンバーを伝えて警察に通報しようかと思ったくらいです。
まあ結局、自己になっていないのでそんな事をしてもいろいろ面倒なだけだと思い直してやめましたけどね。
後ろから見ていた私がまじで「あー!接触するー!」って冷や汗をかいたくらいですから、すぐ脇を追い越されたあのサイクリストはどれだけビビったことでしょう。そして怒った事でしょうか。
頭に血が上った彼が、その後無茶な運転をせず無事に帰宅したことを願うしかありません。
それから、これは誰が悪いわけでも何でもないのですが、やっぱり「アワイチは南淡以外は基本的に全然面白くない」と思いました。
もちろんこれは人それぞれの感じ方や目的などの違いにより評価は変わるのでしょうが、南淡以外はクルマの交通量が多く、かつ景色は単調。しかも西側はテトラポットの護岸ばかりが続いていて風光明媚でも何でもないんですよね。
海は近いけど、景色はイマイチというか……。
いや、こんな事を書くと淡路島の人に叱られますけど、何回か走ってみて感じた正直な感想です。
むしろ淡路島は海岸線より内陸部がいいのかな、と。ただ一周するのは作業になっちゃいますし、一度達成したら、次からは目的やスポットを明確にしたライドの方が楽しいのでは? と思います。
なのでこれから一周する人は風光明媚な150kmなんてゆめゆめ思わない方がいいと思われます。
今回はそれをわかっていたので、クルマが多くて走りにくくて面白くないその北淡部分を大幅にカットするルートにしたのですが、それでもまだあまり面白くない部分が多いと感じました。
坂が、それも最大の坂になる可能性があり、かつ距離も100kmに届きませんが、洲本スタートで、南淡四峠を回り、湊から県道31号線に乗って鳥飼浦の先で右折、つまり県道472号に入って洲本ICの峠を抜けて洲本へ降りるルートがストレスなく楽しめる田舎道なんじゃないでしょうかね。
次回、また淡路島を走るとしたら、もうサンセットラインはコリゴリですから、そちらのルートにするかもしれません。
まあ、走るかどうかはわかりませんが……。
最後に膝の痛みについて
膝痛の原因は出発前に準備運動をしなかったから、という訳でもないのでしょうが、それでも最初にきちんと各部をストレッチしておけば多少痛みが出るのが遅くなり、しかも痛み自体が軽くて済んだ可能性は否定できません。
なぜなら、普段の40から70kmくらいまでのライドでは発生しないからです。
まあ、そんな事を言っても仕方がないので、帰宅してからいろいろ調べて見ました。
そうすると、ある程度納得のいく原因がわかってきました。
これは「腸脛靱帯炎」と呼ばれるもののようです。いわゆる「スポーツ膝」と呼ばれるポピュラーな膝痛の一種。
で、その痛みが出る原因の多くは体型が悪いから。
具体的にはO脚やいわゆるがに股の人がなる炎症だそうです。
「え? O脚? 私が?」
私は自分がO脚だという自覚はこれまでありませんでした。
ましてやがに股だなんて親にも友人にも他人にも一度も言われたことがありません。
が、しかし。
ツマ曰く。
「そう言えば後ろから見ていて左右でペダリングが違うって思ってた」
ううむ。
自覚してなくてもそうなっていたのなら事実でしょう。
ましてやいつも私の直後で私のお尻というかペダリングを見ながら走っているツマが言うのですからこりゃもう間違いないところ。
なのでもう少し詳しく調べました。
すると、私の場合はいわゆる「ガニ股」ではなく、O脚が原因のようだということがわかってきました。
自分の足の形をじっくりと吟味する事などなかったのですが、直立して両足の膝の内側がくっつくようにすると、なるほど左右の脚の間にけっこう大きな空間が空きます。
私の場合は普通に膝の内側同士が触れますし、足も左右くっついて揃います。
これは膝の内側がくっつかない単純なO脚ではなく、XO脚という、まるで中華料理の調味料のような名前のO脚の亜種だそうです。
XO脚の特徴:出っ尻に見える
こ、これか!(゜Д゜)
確かに私は昔から出っ尻で、「プリケツ(プリっとしたケツ)の山田(じゃないですよ?)」と言われています。
自覚なかった……。
O脚だったんだ……。
原因はわかりました。
ネットってすごいなあ。
いや、しかし、だが、それでも、されど、なんとなれば。
じゃなくて、だったら今までも100km以上は何度は走っているのに、今回に限って痛くなったのはなぜか? という素朴な疑問が生まれますよね。
これも今回のライドのパターンを考えると納得がいく説明が付きました。
今回の、というよりも今年に入ってからといった方がいいかもしれません。
それは「ケイデンスを気にして走っていた」からです。
ケイデンス90を目標にして軽めのギアを回す事を密かな目標にしていた私は、普段より確実にケイデンスが高い走りをしておりました。
つまり普段より1段、場合によっては2段ほど軽めのギアを回してたんですね。
つまり膝の上下動が普段より多かった。
かつ、今年初めての100kmという長距離にチャレンジ。
かつ上りもそれなりに長かった。
ということで、言ってみれば「抱えていた爆弾」が爆発したのではないかと。
今回初めて痛みを感じる閾値を超えたのでしょう。
ということで、原因がわかれば対処のしようがあります。
考えてみれば、いや振り返ってみれば、例えばトップチューブバッグを取り付けた際、触れるのは左の膝がほとんどです。
バッグが左に傾いているのかなと考えて右側に倒してみたりしていましたが、ひょっとしたらXO脚が原因で、私の場合は左の方が歪んでいるのでしょう。
となるとこういう場合はアレです。
万年準中級のスキーヤーでもある私はすぐにピンと来ました。
対処方は左側のクリートのカント調整からやってみることにしました。
もちろん並行してXO脚の矯正法なども試してみるつもりですが、そちらは先の長い話なので。
痛み?
人間離れした回復力を持つ私です。
当日こそ、SAでクルマからレストランに辿り着くのもヒョコヒョコと不格好だった私ですが、月曜日になると痛みは完治。
普段とまったく変わらず、エレベーターやエスカレーターは使わずに上りは階段2つ飛ばし。下り階段でも痛み無しでございます。
ご心配をおかけした皆さん、ありがとうございました。
なので、週末ライドはもちろん今まで通り、7月のビワイチ150kmも予定通りにトライするつもりです。
※ビワイチは途中ダメだと思ったら宿泊するオプションを用意して臨む予定です。
なお、画像の獲得標高はGARMIN CONNECTの「高度補正」をonにした値です。
このコースをルートラボで計算すると997m。その差二倍。
GARMIN、Happyすぎ。(・∀・)