で、初心者のインプレでも、と思ったのですが、インプレするだけの着区眼点を持っていないのでまともな事が書けません。
比較しかけないのですよ。
比較対象なんて、
1)BROMPTON(16インチの折り畳み自転車)
2)TREK Y3(18年前のMTB)
の2台だけなんですよ?
でもまあ一応。
乗り心地はBROMPTONより100倍以上いいです。
前後サスペンションがあり、タイヤの太いY3より100倍悪いです。
ハンドリングは弱アンダーかも、という感じのニュートラル路線。
超オーバーなBROMPTONとややアンダーなY3に比べると、ニュートラルっぽさが際立ちます。
ポジション。
まだ決まってません。
ショップのお兄ちゃんがサクっと合わせてくれたポジションは相当甘めで、具体的にはシートポストがなんか5cmくらい低いんです。これは私が初心者だと言うことでかなり余裕をもって設定してくれたからでしょう。愛ですね。
まだよくわかりませんが、身長や股下を考慮するとクランク長も私には短い気がします(装着されているのは170mm)。
まあ、ポジションはロングライドを念頭に徐々に調整していこうと考えています。
ステムももう少し長い方が窮屈さがなくていいのですがね。
まあ、今のところ言えるのはその程度でしょうか。
何しろBROMPTONよりもY3よりも楽に走れちゃってうれしいな、ていどの感想なので。
とは言え、三日ほど乗って見て色々わかった事もあります。
いわゆる「吊し」なので、全てのパーツはある意味お仕着せです。
ご存じのように? ロードレーサーっていうのはパーツの寄せ集めなので、レディメイドのバイクがそのままでその人の走り方に合っているかどうかはまた別問題です。
私が買ったORBEA AVANT OMP(オルベア アヴァン オーエムピー)はシマノという日本のパーツメーカーの105という、中間グレードのパーツが主に使われています。
そしてここが重要なのですが、
「ペダルはついていません」
最近のロードレーサーって、基本的にペダルついてないんですよ。
理由は簡単……じゃなくてある意味複雑で、ロードレーサーのペダルには様々な事情があって、その事情というのがなんというか、極めてパーソナルなものなのです。
簡単に言うと、いろんな方式のペダルがあって、つけていてもみんな使わないので最初から付けない方が合理的。ということなのです。
まあ、その事情というのはバインディング(ビンディング)システムというやつでして、これが実に奥が深い、というか色々あって面倒くさい。
そもそもバインディングシステムいらないという人までいますから。
まあ、そういうわけで私のAVANTにもペダルはついていませんでした。
なのでペダルは納車日までに私が用意する事になりました。
色々リサーチして、最初に選ぶならまあこれが無難かな、というペダルを予め用意していたのですが、念のためにバイクを買ったお店で私の希望に添ったペダルを尋ねるとまさに私が用意していたペダルそのものだったので、それを渡して装着してもらったわけです。
私の希望とは、
「バインディングシステムに興味はあって使うと思うけど、普通の靴でも踏めるようなペダル」というもの。
要するに本気モードでもおちゃらけモードでもどちらも対応可能、という都合のいいリクエストです。
それに応えてくれるのが、リバーシブルペダルというジャンルのモノ。
片側ががフラット、つまり普通の靴でも踏める形状になっていて、反対側がバインディング対応になっているというものです。
いくつか候補があるのですが、私が選んだのが、シマノのPD-A530という、私の様なリクエストにはまさに「ド定番」と思えるモデルです。
シマノといえば、世界でもトップと言っていいパーツメーカーです。
そこのお買い物自転車(いわゆるママチャリですね)仕様じゃなくちゃんとスポーツより(だってバインディングシステムペダルですからね)のペダルですし、それなりの値段もしますから、まあ間違いはないだろうと思っていました。
が。
実は実際に使用する前、つまりペダルだけ手元に届いたときからちょっとだけ疑問は浮かんでいたんです。
「このペダルは私の要求水準に合っているのか?」というものです。
なので「実は私は」リリーフを用意していたのです。
私がPD-A530に対して抱いた不安を払拭してくれるであろうペダルを別途買っていたのですな。
いえ何、必要なければY3なりBROMPTONなりに付けて活用するので無駄なかいものではありませんぞ、念のため(たぶん)。
話をPD-A530に戻しましょう。
何をもって不安を抱いたのかというと、その回転の重さです。
ペダルの軸を持ってペダル本体を指で弾いても全然まわらないのです。
気温が低くてグリスが固いからなのでしょうか?
いえ、真夏日のベランダに放置しても同じです。
要するにグリス自体が固いのでしょう。
まあグリスのせいじゃないかもしれませんが、要するに回転させるのにはある程度のトルクがなければならないのです。
これはY3の18年前のペダルと同じような回転抵抗です。
でもBROMPTONの純正ペダルはもっともっと軽快に回転します。
私がスポーツバイクに乗っていた高校時代の頃の記憶でも、回転のいいペダルを装着していたのです。
だって、蹴返しをポンっと蹴ってクルンと回ってくれないとちゃんとクリップに足を通せませんからね。
イチイチ下を向いてペダルを回して足を入れて、じゃダメなんですよね。
でも、PD-A530は南かそのまんまの状態で回転せずにビタっととまってくれちゃってるんです。
「これは新品だからかな?」などと思った私は、ショップ推奨ということもあって、最初に付けておくペダルはやはりそのPD-A530にしたのです。
走ってみました。
とくの問題はないのですが、やっぱりクルクルとクランクを回す際に意識しているからなのでしょうけど、どうにもペダルの回転性が今ひとつスムーズじゃないというか、もっとヌルヌルと抵抗なく回転してくれている感がないのです。
だったらグダグダ言う前に補欠として買っていたペダルを試せばいいじゃん、という話ですよね。
なので三日目の今日はペダルを付け替えてみました。
付け替えたペダルは同じ日本のバイクパーツメーカーでも、総合パーツメーカーのシマノとは違い、ペダル専門メーカーと行ってもいいような「ミカシマ」こと三ヶ島製作所のもの。
同じリバーシブル、つまり片側がフラットで片側がバインディング機構になったものでした。
モデルは「Urban Step-in A Ezy Superior」のブラック。
PD-A530の1.5倍の値段でした。
実はこのペダル、ワンタッチ取り外し式なんです。
取り外し機構の分だけ重くなるのですが、たとえば折り畳みバイクのBROMPTONなどでは片側を折り畳む変わりにサクっと取り外しすればOK、みたいな?
要するにもし必要な希求手もツブシがききやすいので敢えて取り外ししきにしてみました。
まあ、AVANT自体を輪行する際にも取り外しできる方が便利かも、と思ったわけですが。
で、これも当然納車前に用意していたので、家に届いた時点で回転性をチェックしてみたところ……。
「コレだよコレ! ペダルはこうじゃないと!」
と、昔のくるんくるんまわるペダルのイメージが拭えない私にはまさにそれが「ちゃんとしたペダル」に見えたのでした。
指で弾くとクルンクルンと重いペダルが軽く回るんです。
で、重心を下にいつも一定の状態で停止します。
これは自転車に乗っていて常にペダルがどんな状態かがわかることを意味しています。PD-A530だと、ペダルをみないと、今ペダルがどんな状態にあるのかがわからないのです。
これはクリートを填めるときに不利になります。というか面倒くさい。
三ヶ島だとフラットはこっちでクリート填めるのはこっち、というのが見なくてもわかるんです。
なんというか、もうステージが違うというか、その回転のヌルヌルさは快感とも言えるレベルでした。
で、今日はその三ヶ島で走ってきたのですが、いや、全然違います。
そう思い込んで居る空かもしれませんが、私にとっては本当にグルングルンと何の抵抗もなくペダルは回っているように思えました。3ベアリング仕様というのはダテじゃないですね。
あと取り外し機構が剛性をスポイルしているかと懸念していたのですが、それも全くなし。取り外し機構のないPD-A530の方が剛性感がないように思えるくらい、このペダルは「上等」なものでした。
「これだよこれ。ペダルはこうじゃないと」
私のテンションは上がりまくりです。
ペダルなんてペダルの回転性を意識しないくらい回るべきなんです。
それがPD-A530には感じられない。
ミカシマ最高! シマノ最低! みたいな感じの前半でございました。
しばらくミカシマの回転のスムーズさの快感に酔いしれた後、いよいよバインディング機構にクリート填めて坂でも上るか、と思ったわけですが……。
「これは使い物ならんな」
たった数分後に思わず口をついたのがそのセリフでした。
実はバインディングシステムって基本的に会社によって違うようなのです。
シマノのペダルにはシマノのバインディングシステム用のクリート(靴側の取り付けよう金具)が、ミカシマのペダルには当然ながらそのペダルにあったクリートがついていて、それを用いないとそもそも固定できないわけですが……。
シマノのSPDというバインディングシステムは、私には実に感覚的にしっくりとくるものでした。
がしかし、ミカシマのそれは全然ダメです。
なんというか、特に取り付ける時に「取り付けるぞ」と意識しないと取り付けられないのです。慣れれば慣れるのでしょうが、数十回着け外しを試みても慣れる気がしません。なんというかくっついているのにくっついている感が希薄で、かつ遊びが大きいのです。かと言って「きつ目」にするとそもそも取り付けの難易度が上がる代わりに固定力がさほど上がらないという、バインディングシステムとしては結構お粗末なものにしか思えませんでした。
あくまで私には、という但し書きがつきますが。
そこで私はまた悩んだ挙げ句、もとのPD-A530に戻した、というわけです。
クリートの付け替え一つとっても面倒くさいんですが、ペダルの着け外しとかも結構面倒な感じでございました。
ああ、ペダルにこんなに悩むなんて思ってもいませんでしたよ。