ここで私は断言しよう。
ロードレーサー乗りには2種類の人間しかいない、と。
落車経験があるロードレーサー乗りと、これから落車するロードレーサー乗りである。
そして私は晴れて前者となったわけです。
感激もひとしお。擦り傷痛いけど。
落車とは言え私の場合はいわゆる「立ちごけ」で、かつ路上ではなく「とある喫茶店の駐車場」だったので地面に体があたる衝撃とちょっとした擦過症のみで後ろから来たトラックのタイヤに踏まれて頭蓋骨がぺしゃんこになって脳漿ぶちまけた、なんてことにならなかったのでまあ、笑い話で済んで良かったわけですが。
あ、あととっても恥ずかしかったです。
落車の原因はアレです。「クリートが外れなかった」ってヤツです。バインディングシューズの暗黒面ってヤツですね。
そこで私は断言したい。
世の中のバインディングシューズユーザーには二種類しかいないと。
立ちごけ経験があるユーザーとこれから立ちごけするユーザーである。
私はここでも前者の仲間入りとなったわけでございます。
しかし。
バインディングシューズ初心者の私ですが、高校・大学時代にトゥクリップとストラップで拘束タイプの経験を長く積んできた自負もあり先日バインディングシューズ(SPD)デビューした時も「あ、なんだ。チョロイね」なんてうそぶきつつ、即座にベテラン風のブラインド・パイルダー・オンを我が物としていたわけです。
止まる折りもまるで数十年SPDを使いこなしているかのように特に意識することなく、体が勝手にクリートを外すようになっていますし、要するに「まさか私がクリート外れずに立ちごけするなんて!」という今日この頃だったわけです。
そんな私に現実は冷徹でございました。
それでも倒れたバイクを眺めながら、私はこんな事を思っていたわけなのです。
「猿も木から落ちる」
「上手の手から水が漏る」
「河童の川流れ」
「弘法にも筆の誤り」
「麒麟の躓き」
「棚からぼた餅」
えっと、他に何かあったっけなー?
あ、最後のは違う? 細かい事はいいんですよ!
とまあ、そんなわけでチョッピリバイクが傷ついちゃったぜ、グスン、的な?
惨めったらしいのを承知の上で言い訳をしておきますとですね。
ちゃんとクリートは両足とも外してたんですよ、私。
いつものように、息を吸うような感じで。
シチュエーションとしては、二車線道路。路肩殆どなし、おそらくトラックは車線からはみ出る、という狭い道路を走行中だとお考え下さい。
交通量がそこそこあって、対向車線の車は途切れません。これはどういう事かというと、私の後ろを走っているトラックは、時速25km/hで走る私を追い越せないわけです(後ろの自動車さん達に気を遣って、珍しくフロントをアウターに入れて頑張っていた。平地だったし)。
そこで前方に道路に面した比較的広い駐車場を有した喫茶店を発見した私はそこで後続のクルマをやり過ごそうと停車する事にしたわけです。
クリートを左右とも外して駐車場に避けた私は完全に停止するといつものように左脚をつこうとしたんです。ついでに水を補給しようと思いつつ。
で、左足を地面に……
「あれ?」
外したはずのクリートが再度くっついているではありませんか!
しかしここでパニックに陥らないのが私のすごいところです。
「なに、落ち着いてまた外せばいいだけのこと。問題無い。間に合うさ」
で、外れたんですけど全然間に合わなかった、と。
こういうパターンの時ってきっと誰しもこうおもうのでしょうね。
「バイク、大丈夫かな?」
幸い、大した衝撃でもなかったので地面、というかコンクリートに当たった部分がちょっと削れてしまった程度でした。
ペダルが当たったことでクランクの歪みが気になりましたが、見たところ問題はないようです。BBにも影響はないようでチェンラインも綺麗なままでした。
まあ、大した衝撃ではなかったので当然といえば当然でしょうが、それでもバイクにとっては大した衝撃かも知れませんしね。
人間の方は左膝をコンクリートで打った際に擦り傷ができましたが、下はロングパンツを履いていたので大したコトなく済みました。
ロングパンツの膝に穴が! なんて思いましたが幸にも穴は空いておりませんでしたのでセーフです。
バイク側は写真のように
1)ハンドルのバーエンド部分
2)後輪のQRのスキュワーのレバーの頭
3)ペダルの端っこ
に擦り傷が。
ハンドルのバーテープですが、もともとオリジナルの黒が気にならないので逝っちゃってたらこれ幸いとばかりまき直そうかと考えておりましたが、意外に問題無かったのでまき直しはお預けとなりました。
まき直してもいいんですけどオリジナルは全然使えるし感触は気に入っているのでゴミにするのはもったいないですから真っ当に使ってあげないとね。
バーエンドは……もともとオルベアのロゴいりの純正品ですが、ここは気に入ったものがあったら換えたいところ。プラで安っぽいんですよ。軽いけど。
どうでもいい部分ですがディテールにこだわりたいと思うのがオーナーじゃないスか?
というわけで、クリート脱着ミスによる立ちごけの洗礼を受けちゃったぜ、コンチクショーヽ(*`Д´)ノ
というお話でした。
皆さんもくれぐれも「意図せぬクリート再装着」にはお気を付け下され。